デュラエース9100は買いなのか?互換性はどうなのか?

シマノのロード用コンポのハイエンドモデル「デュラエース」が9100系にリニューアルされて久しいので、そろそろ換装を考えている人もいるでしょう。

そして、旧モデルとの互換性も気になるところだと思います。

また、アルテグラがR8000系にフルモデルチェンジされたので、6800から8000にするか、それともデュラエースにするかを迷っている人もいると思います。

そこで今回は、デュラエース9100を再確認してみたいと思います。

シマノと互換性

前作のデュラエース7900系から9000系へのモデルチェンジは、リア10速から11速への変更という、大きなハイライトがありました。

そのため、交換する意味などを考える以前に、とにかく11速を試したいというユーザーが殺到しました。

しかし、そのときの有名な話として、シマノは7900系のホイールを10速のままで、決して11速化しませんでした。

他のメーカーが11速に対応させる中で、新しい物を買ってくれと言わんばかりに、互換性を持たせなかったのです。

9000系のホイールは現在でこそ、上位クラスの中でも他のメーカーに負けない人気ホイールとして君臨していますが、当時は恐らく相当数が他メーカーに流れていったことと思います。

シマノはこの事例に限らず、モデルチェンジのときに旧モデルとの互換性を取らないことが多かったです。

しかし、9000から9100系へのモデルチェンジしても、互換性はそれなりにあります。

ということは、同じリア11速の105やアルテグラとも互換性があるということなので、部分的なパーツ交換もできてしまうということです。

実際に交換するかどうかは別として、「高嶺の花」のデュラエースを一部でも体感しやすくなったという点は、嬉しいことだと思います。

デュラエース9100の進化と互換性①~フロントディレイラー

さて、デュラエース9100系をパーツごとに見ていこうと思いますが、最も評価が高いのはフロントディレイラーです。

9000系にはワイヤーのテンションを調整する機能が無かったので、ケーブルアジャスターという部品を挟んでいたのですが、9100系は調整機能が搭載されたので部品はいらなくなりました。

これによって、ワイヤーの進入角度やフレーム形状によって、取り付け位置を工夫するなどの手間も一切いらなくなったので、一発で位置が決まるようになりました。

調整方法に関しても、説明書に図解入りで、非常に明瞭に説明してくれています。
今までテンションの目安は、あまり視覚では明示されていなかったので、すごく調整しやすいと思います。

なお、構造自体は若干左右の可動域が広がっただけなので、クランクでもレバーでも11速のものであれば、互換性があるので交換が可能です。

フレームによって、他のグレードのクランクとの相性が微妙という話もあるので、一応注意が必要とは思います。

デュラエース9100の進化と互換性②~リアディレイラーとブレーキ

次に取り上げたいのは、リアディレイラーです。

変速性能自体が激変したわけではないですが、9000まではローギアが28Tまででしたが、9100からは30Tまで使用可能になりました。

それに伴って、リアディレイラーも30T対応になりました。

また、R8000系のアルテグラにも採用されたシャドー化も、当然のことながらデュラエース9100が始まりです。

横への張り出しを抑えて空気抵抗を減らし、転倒時の破損のリスクも少なくする、MTBによくある、あの形状ですね。

互換性ですが、リアディレイラーのみの交換で、何の問題も無く作動しているようですから、11速のスプロケなら問題ないはずです。

続いてはブレーキですが、制動力が上がったという評価が多いです。

あとはブレーキ自体の重量が少し重くなったのを問題視する声もありますが、わずか29gでプロのレーサーでも感じ取れるか微妙なレベルですから、さほど気にすることも無いでしょう。

デュラエース9100の進化と互換性③~結局互換性はとれているのか?

その他のパーツについては、目立ったインプレは見られません。

クランクはすでに9000系で4アーム化を果たしており、今回はマイナーチェンジのレベルではないでしょうか。

クランクアームの剛性を高めたとの触れ込みはありましたが、重量も9000系と変わっていませんし、特に変化を感じる点は少ないと思います。

それにしても、このデュラエースの9000系から9100系へのモデルチェンジに関しては、シマノにしては珍しく旧モデルとの互換性が取れていると思います。

確かに今までのデュラエースのモデルチェンジとは違い、リア11速のモデルが他にもある状態になったので、互換性を意識しなくても、適応できるという側面はあると思いますが。

新しい9100クランクを使いたい場合は、フロントディレイラーも9100にしなければなりませんが、それ以外は混合して使えることになります。

9000やアルテグラ6800、105・5800のクランクを9100のフロントディレイラーで操作することは問題ありませんし、9100のブレーキを9000のSTIレバーでも引けるということです。

デュラエース9100のホイール

デュラエースは9100系へのモデルチェンジの際に、ホイールも9100モデルが発売になりました。

余談ですが、今回は10速用のスペーサーが付属されているのですが、7900系をかたくなに11速化せずに互換性を持たせなかったシマノが、臨機応変に対応してくれるのは良いことですね。

デュラエースのホイールはアルミリムとカーボンリムがあり、それぞれに数種のリムハイトが用意されています。

その中でも、最も購入者が多いと思われるリムハイト24mmモデルは、当初、改悪との評判が後を絶ちませんでした。

デュラエース9000のアルミ24mmモデルは、主要部品メーカーが販売しているアルミクリンチャーモデルの中で唯一の(私が調べた限りでは)1,400g切りのホイールでした。

9100の24mmモデルも、公表されている重量は1,389gなので許容範囲かとは思うのですが、約25gの増量は軽さが正義のロードバイク乗りにとっては、許せない数字だったようです。

しかもこのモデルは、現在の潮流でもあるワイドリム化されていないにも関わらず、重量増になったことに疑問の声が上がりました。

しかし使用者が増え、徐々にインプレが流れ始めると、剛性が上がった、走りが重くなった感は無いとの意見が見られるようになりましたので、以前ほど改悪というイメージは無さそうです。

デュラエース9100に換装するおすすめ度は?

さて、ここまでパーツごとにデュラエース9100のスペックと旧モデルとの互換性を見てきましが、結論として個人的な見解ですが、乗り換えのおすすめ度をお話しておこうと思います。

まず、正直言って9000系から全てを換装するのは、ラッキーにも宝くじが当たって大儲けした人以外は疑問だと思います。

今回ご紹介できなかったパーツも含め、それほど大きな違いが感じられないというのが本音です。

もし、どうしてもひとつおすすめしてくれと言われれば、冒頭でも説明したようにフロントディレイラーになります。

やはり、テンション調整の心配がほとんど無くなるというのは、大きいと思いますね。

あとはアルテグラや105からのグレードアップを考えている人へのおすすめ度ですが、こちらも低いと言わざるを得ません。

そもそも、これだけ互換性があれば、パーツごとの交換で十分だと思います。

もし一式の換装を望まれるのなら、デュラエースのほとんどの技術を踏襲している、新型アルテグラR8000の方を個人的にはおすすめしたいです。

そして余った予算でシマノでもカンパでも良いので、上位グレードのホイールを履くのが得策と思います。

コンポはこだわったらキリがない

今回はデュラエース9100についてお話してきましたが、さすがにハイエンドモデルだけあって、全てが最先端を行ってる感じでしたね。

しかし、さすがにどれも高価なので、今回の話で興味を持たれた方は、パーツをひとつずつ試してみるのが良いと思います。

コンポは個人のこだわりであり、人によって妥協点が違うものなので、自分なりの妥協点を探してみてください。