自転車で地面と接している唯一の部分であるタイヤは、消耗品です。
そのため、交換する最適なタイミングがあります。
また、交換する際に前後一緒に交換した方が良いと言いますが、なぜなのでしょうか?
そこで今回は、自転車のタイヤ交換にまつわるお話をしていきます。
タイヤの種類
まず、タイヤ交換の話をする前に、タイヤの種類について簡単に説明します。
自転車のタイヤには、中にチューブを入れて使うタイプと、チューブのいらないタイプに分けられます。
自転車の種類によって違いますが、ママチャリやロードバイクはチューブありタイプ、MTBはチューブなしのタイプが主流です。
チューブを必要とするタイプには2種類あり、タイヤの中にチューブを入れただけのものが「クリンチャータイヤ」、タイヤの内側にチューブを縫い付けてあるのが「チューブラータイヤ」です。
昔はチューブラータイヤが主流でしたが、パンク修理に手間が掛かり事実上使い捨てになってしまうなど、メンテナンスが容易でないことから、現在はクリンチャーが圧倒的多数です。
また、タイヤのパンクはチューブが損傷することの方が多く、タイヤ本体に穴が開くようなパンクは、滅多にありません。
そのため、タイヤを寿命で交換する場合は、チューブも同時に交換するのが一般的です。
チューブがないチューブレスタイヤは自転車全体で見れば、まだまだ少数派ですが、主流になっているMTBを始め、徐々にシェアを拡大しています。
チューブがないので、パンクのリスクが低いのがメリットですが、価格が高めなのと、重くなるのがデメリットです。
タイヤ交換をする場合は、できれば前後同時に交換した方が安全です。
前後のタイヤ価格
タイヤ交換のお話をしていきますが、前提として今回は、ママチャリなどのシティサイクルのクリンチャータイヤの交換についてお話します。
ロードバイクなどのスポーツ自転車の場合は、交換をする意味や方法、タイヤの値段が全然違いますし、チューブレスタイヤも値段や工賃が変わってくるので、別記事を参考にしてください。
また、今回はお店に頼む場合と、自力で行う場合の両方について、お話をしたいと思います。
まず、お店に頼む場合、気になるのは費用ですね。
タイヤとチューブの代金と、交換工賃が掛かります。
町の自転車屋さんは、工賃表が明示されているお店以外は、言い値です。
悪い言い方をすれば、言い値ですから、いくらでも儲けることができてしまいます。
そのため、最初は工賃表が明示されているショップかホームセンターで、交換することをおすすめします。
そういったお店は、タイヤも単品で販売しており、ひと目で金額が分かりますから安心です。
タイヤとチューブはピンきりですが、タイヤは1,500円~2,000円、チューブは600~1,000円程度のもので良いです。
あまり安すぎると品質に問題がありますし、逆に高すぎても、ママチャリにそこまで高性能を求めるのもどうかと思うので、この程度で十分です。
ちなみに、この価格はタイヤ1本分ですので、前後の場合は倍となりますので、ご注意ください。
前後でタイヤ交換の料金が違う
さて、お店に交換を頼む場合、肝心なのは工賃です。
まず、工賃はタイヤの前後によって違います。
駆動輪であり、付いているものが多く、交換に手間のかかる後輪の方が、前輪よりも500~1,000円ほど高くなっています。
工賃は、お店によってばらつきがありますが、前輪が1,000~1,300円、後輪が1,500~2,000円といったところです。
そのため、これにタイヤとチューブ代を入れると、
前輪 約2,500~3,300円
後輪 約3,000~4,000円
が、交換費用の平均になります。
ちなみに、タイヤは駆動輪である後輪の方が、消耗が激しくなります。
自動車であれば、タイヤの前後輪を入れ替えるローテーションは当たり前のことですが、自転車の場合は、あまり推奨できません。
自転車は前輪にトラブルが起きた場合の方が大惨事になる可能性が高いので、後輪で消耗したタイヤを前輪に履いて走ることは、非常に危険です。
もし、どうしてもローテーションをやるのなら、今まで前輪に履いていたタイヤを後輪に持ってきて、前輪を新しいタイヤに交換してください。
もちろん、ローテーションでも、お店に頼めば同じだけの工賃は掛かります。
タイヤを前後共に交換すると料金が高い?
さて、今までの話で、仮に前後共にタイヤ交換をお店に頼んだ場合、ざっと6,000~8,000円の費用が掛かることが分かりました。
この金額を、高いと見るか安いと見るかは個人差があると思いますが、高いと思えば工賃を浮かすために、自力で交換することを考えなければなりません。
まず、自力で交換するとなれば、専用の工具が必要になります。
自転車が趣味という人は別ですが、ラチェットレンチやボックスレンチは、一般家庭にあるものではないですから、購入することになります。
また、交換したらタイヤに空気を入れなければなりませんので、空気入れも必要です。
これらを全て購入したとすると、タイヤ1本分の工賃くらいになってしまう可能性があります。
工具は持っていて損になるものではないので、この際に揃えても良いですが、一生の内に自転車のタイヤ交換することが何回あるか?と考えると選択に迷いますね。
また、色々なパーツを外さなければなりませんので、時間も手間も掛かりますし、交換後もブレーキやチェーンの張りなどは再調整しなければなりません。
この手間と時間を、お店に頼む費用と天秤に掛けて、どちらが費用対効果が高いかを考えてみましょう。
タイヤ交換は自力かお店かどちらがおすすめ?
タイヤ交換をお店に頼むか、はたまた自力で行うか。
費用対効果なんて難しい言葉を使わなくても、単純に長い目で見た場合に、どちらが得なのかという判断になります。
今これを読んでくださっている方は、おそらく初めてタイヤを交換しようと思って、情報を集めている最中だと思います。
そういった方を対象に個人的見解を言わせてもらえば、「タイヤ交換はお店に頼むのがベター」です。
先ほどもお話しましたが、タイヤを交換するには専用の工具が必要で揃えたら、1本分の交換代金程度にはなります。
また、交換の手順を一から調べて覚えたとしても、次に行うのは一体いつのことでしょうか?
分解して、タイヤとチューブを交換して、再度組み付けを行ってから、最後に各所の調整が必要です。
しかも前後となれば、倍の作業量です。
初めての交換で、この一連の作業をこなし、調整までするとなると、初めてにしてはハードルが高いと思います。
ましてブレーキやタイヤは、自転車の安全面に大きく関わるパーツであり、間違った組み付けや調整は命に関わるかもしれないのです。
餅は餅屋と言う言葉がありますが、自転車のことは自転車屋さんに任せるのが一番ではないでしょうか。
タイヤ交換か新車か?
個人的ではありますが、「自転車のタイヤ交換はお店で前後一緒に」が、今回の結論になります。
ところで、最近は安い自転車が多く出回っていますね。
1万円前後の完成車が珍しくありません。
先ほどもお伝えしましたが、タイヤの交換費用は約6,000~8,000円です。
こう見ると、タイヤの交換費用にもう少しだけ頑張れば、新車が買えてしまうことになります。
実際に、これで悩んで結局安い新車を買ったという人もいます。
しかし、1万円前後の自転車は残念ながら、おすすめできません。
全てが安かろう悪かろうとは言いませんが、やはり1万円の自転車はそれなりです。
例えば、ロードバイクなどは初心者モデルでも10万円前後はします。
「そこと比べてどうするんだ!」と叱られそうですが、同じ自転車として、その価格差が全てを物語っています。
ママチャリで比べても、名の知られているメーカー品に1万円前後の品揃えはありません。
そのため、タイヤ交換の費用が高いのではなく、自転車が安すぎるのだと思います。
仮に3万円する自転車を買ったとして、2~3年に1回タイヤ交換をするのと、1万円の自転車で毎年タイヤ交換するのとでは、ランニングコスト的には変わらないかもしれません。
むしろ、3万円の自転車の方が、長い目で見た場合には得かもしれません。
タイヤ交換はお店に任せましょう
今回はタイヤ交換についてお話しましたが、結果としては、お店に交換を依頼した方が得策という結論にさせていただきました。
お金で解決するという意味ではなく、より安心・安全を優先した結論です。
また、それなりの価格の完成車を最初から選ぶ方が、将来的にみれば、お得でもあります。
日々生活の足として使うものですから、より良いものを選んでいただきたいと思います。