シマノのクランク!11速の105ってどう?

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
クランクって変えると効果があるの?よくある話ですよね。ロードバイクに乗っていると段々何かカスタムしたくなってくるものです。
今回はクランクについて考えてみようと思います。

105より上のシマノクランクって?①

クランクって重要な部品です。まずパッと見て目立ちます。大きくSORAと書いてあるのか、Dura Aceと書いてあるのか。自転車乗りとしては気になるポイントですよね。
そういう見た目のポイントもありますし、性能としてもクランクは大事です。何せグイッと踏み込みます。簡単にぐにゃーんと曲がってしまっては困ります。かっちりと剛性がないといけません。
そして、自転車では車体の下側の軽量化は効果が高いと昔から言われていますので、クランクの軽量化を大事にする人は多いです。もちろん、剛性ありきで軽くないといけないので難しいです。

簡単に言うとシマノのクランクはグレードが上がると、
・見た目的ステータス
・踏んだ時の剛性
・軽さ
の3つが上がっていきます。

基本的にはシマノは「同一グレード同士でコンポは統一して使いましょう」と言いますが。「コンポ一式全て変えるのはお財布がツライ」という人も多いでしょうから、気にせずクランクだけ交換します。
ただし、クランクとチェーンの相性はフロント変速にも関わりますので、可能であればチェーンもグレードアップしたいところです。そうなると、フロントディレイラーも。チェーンとの相性でリアのカセットスプロケットもリアのディレイラーも。変速機との相性ならやっぱりSTIレバーも、と結局全替えになってしまうのですが。

そこまでしてると何もカスタム出来ないです。
とりあえず、そういうシマノの主張も理解しつつ、使っていく内に動作に不具合が起きたら考える、グレード違いのコンポの組み合わせが不具合の可能性ということだけ覚えておけば良いでしょう。
その辺が気になるという人は、全替えか、全くカスタムしないという形で行くしかありません。

105より上のシマノクランクって?②

今回は現行の5800系105のクランクの話なので、11速のロードバイクのお話ということで進めましょう。
11速のロードバイクで使えるクランクは今のところ4種類あります。重量とだいたいのお値段を書いておきましょう。重量はカタログ値、お値段は2016年執筆現在の税抜きのお値段ですが、もしかすると変更があるかもしれません。細かい点については御了承下さい。

・Dura Ace 55,000円くらい 683g
・Ultegra 24,000円くらい 765g
・105 15,000円くらい 730g
・謎の無印シマノクランクRS500 12,000円くらい 800gちょっと(実測)

謎の無印クランクRS500とは、時々、完成車に最初に付いている11速クランクでは唯一の5アームのものです(他の105以上のものは4アーム)ヨーロッパでは単品販売されてるとか何とか。現行の4700系Tiagraとほぼ同価格ですが、Tiagraは10速ですので比較は出来ません。
RS500が付いている人で、105クランクに変えたいという人もいますが。
105との価格差は3,000円程度ですし、大幅なパワーアップは見込めないでしょうからわざわざ新規に105を購入してまでアップグレードするほどのこともないでしょう。
ただし、見た目的ステータス、軽さという点では105へアップグレードするとググッと上がります。
ただ、どうせアップグレードするならアルテグラまで頑張りたい気もします。

105クランク、軽さはすごい!

まず、105のクランクの軽さがちょっと驚かざるを得ませんね。すごいですね。上位のアルテグラよりも軽くなっています。
最初、間違いかと思いましたが、カタログを繰り返し見ても間違いないようです。僕の手持ちのカタログに印刷ミスがなければの話ですが。

しかし、当然ながらシマノがグレードの上下が逆になるような製品を作ることはありえません。値段を見てもアルテグラと1万円差があることを考えてもアルテグラよりトータルの性能で良いとは100%考えられません。
軽さでは有利ですが剛性面で弱いのでしょう。

105クランクでは軽量化のために裏側が波々に肉抜きされています。正直、裏側を見た瞬間ちょっと高級感は失われます。
しかしながら、おそらくこの肉抜きが軽量化には大きく役立っているようです。
しかし、剛性は確保できなかったようです。

アルテグラ以上ではHOLLOWGLIDE(ホローグライド)という技術が使われていて、クランクの内部が全体的に空洞になっています。105まではHOLLOWTECH2(ホローテック)だけが使われていてアームの内側だけ空洞になっています。

アルテグラ、HOLLOWGLIDEクランク!

HOLLOW。ホロー。英語で空洞という意味ですね。
そう、シマノのクランクが凄いのはHOLLOW、中身が空洞なんですね。
以前からあるホローテック2という技術は、105より下のグレードでも使われています。クランクアームの内側だけ空洞になっています。
さらに現行のアルテグラ、デュラエースにはホローグライドと言う技術が搭載されています。アームだけでなく至るところ空洞になっています。

アルミで中だけ空洞にするという技術は当然ながら非常に難しいですが、剛性を保ちながら軽量化が可能になります。
先ほど話に出た105の場合、裏側から波状にクランクを削って肉抜き軽量化していますので、軽くはなるのですが、どうしても剛性的に不利になってしまいます。

クランクは体重、脚力という自転車の動力の源を受け止めるという性質上、軽さ以上に剛性が優先される部品です。ホローグライドはクランクにとって非常に優秀な技術なんですね。
この辺りが、アルテグラと105の格の差です。

至高のクランク、デュラエース

そして、圧倒的存在デュラエースです。
「いや、アルテグラで十分、別にデュラエースまで買わなくても良いよ。アルテグラがすごく優秀だから、デュラエースもそんなに変わらないよ」
と言う人が時々いますが。
それは間違いです。デュラエースをさわったことがない人、使ったことがない人です。

ただ、一部正しいところもあるんです。
正しくは、こうなります。(さっきの言葉に『』部分を付け加えています)
「『予算が足りない場合は、』アルテグラでも十分、デュラエースまで買わなくても『とりあえずは問題ないです』。アルテグラは『値段に対しての性能では』すごく優秀、デュラエース『は一気に値段が跳ね上がってしまうけれど、性能は明確に格が違います』」
これが事実です。
アルテグラは同値段帯で性能的に互角の製品が世界中見回しても見付からないでしょう。物凄く優秀であることは間違いないです。

そんなすごいアルテグラでさえ、実際にデュラエースと比較すると、「やはりアルテグラは廉価版なんだな」と感じるほどにデュラエースは圧倒的にすごいです。

また、デュラエースのメリットは中古市場での値段が高いということもあります。どうしても、使っていく内に次のカスタムのために不要になる部品というのは出てきます。(デュラエース以上はシマノにはないので、SRAM REDに変えるなどのマニアックなカスタムか新型デュラエースが出た時の買い替えですね)そういう時にデュラエースは助かります。
自転車の部品は中古市場は決して大きくはないものの、インターネットオークションなどで存在しています。
デュラエースは状態さえ良ければ中古でも結構良い値段で売れるんですね。
中古でもデュラエースというだけで、耐久性の高さなどの信頼があるので、評価が高いのです。

そう、きちんとした自転車乗りなら誰もがデュラエースの凄さを認めているんです。
圧倒的至高の存在デュラエースなんですね。

予算さえ合えばデュラエース一択です。
後から「もう一つ上を買っとけば良かった」が存在しません。
性能も間違いありません。

まとめ「それにしても105の値段は安い」

105、アルテグラ、デュラエースの違いを見てきました。いかがです?ハイグレード、ウキウキするでしょう?「105で十分」と心の中で信じていた人も、少し心が動いたかもしれません。
そうは言えど、やはり105の優秀さは凄いです。アルテグラでさえ十分に安いのに、それより安く、しかもきちんと軽量化など、コストの許す限り性能の向上を目指しています。
シマノが凄いのは、デュラエースの性能が素晴らしいだけじゃなくて、下のグレードまで全ての製品に隙が無いということです。今回は書きませんでしたがTiagra、Sora、クラリスといずれも値段に対して驚異的な性能、技術が詰まっています。
予算と相談して、ご自身にあったものを選べると楽しいですね。