イタリアには老舗のフレームメーカー、ブランドが多く、その中でも「コルナゴ」はピナレロ、デ・ローザと共にイタリアの御三家とまで言われています。
そして、イタリアを含めたヨーロッパメーカーにはロードレースの発祥だけあり、レースにおいて今では希少になっているクロモリフレームのバイクにこだわりがあります。
コルナゴの「マスターXライト」も販売開始から約35年以上が経過するロングセラーとなっており、多くのユーザーに愛されてきた名車です。
今回は、そんなマスターXライトをインプレ情報なども参考にしながらご紹介します。
コルナゴとは?
コルナゴは1954年創業のイタリアの老舗メーカーであり、創業者がロードレーサーだったこともあって、常に有力チームにロードバイクを供給し、ロードレースの歴史と共に歩んできたメーカーでもあります。
数々の輝かしい実績を積み上げ老舗として確固たる地位を築いているコルナゴは、高額なモデルが多く、インプレ情報などを見ていると、ロードバイク乗りの間ではあこがれのブランドの1つとなっていることが分かります。
そして、コルナゴはフェラーリなど異業種メーカーとのコラボモデルや、○○周年記念などの限定車を多く販売しており、少し敷居の高さを感じさせる中で、この記念好きの一面が親近感を感じさせてくれています。
高額なモデルが多いのはこだわりが満載ということの証明でもあり、今回の主役であるマスターXライトなどは今もなお昔ながらの「ラグ製法」でチューブが接合されていたりもします。
また、レースにおける集団走行では素直な挙動が求められるという独自の理論から、全車にストレート形状のフロントフォークを採用しています。
ストレートフォークはふらつきの懸念もありますが、ヘッドチューブを絶妙な角度で取り付けることでその不安を解消し、安定感のあるハンドリングが高い評価を受けています。
コルナゴ・マスターXライトは外観のインプレ評価が非常に高い!
コルナゴのマスターXライトは2019モデルより呼称が「MASTER(マスター)」となっていますが、これまでと仕様は変わりません。
そのため、今回の記事では長いこと親しまれてきたマスターXライトとして統一します。
それではまず、マスターXライトの特徴をご説明します。
前項でも少し触れましたが、チューブを繋ぐ継ぎ手を使用したラグ製法を用い、溶接をイタリアの自社工場で行っています。
ラグ製法は金型一体成型に比べるとチューブを色々な長さにできるため、マスターXライトは490mm~650mmまで10mm刻みでサイズが展開されています。
そして、コルナゴ全体の特徴でもある美しい塗装は、イタリアの「パマペイント社」でこれもフレーム製造同様に1本ずつ手作業で行われています。
さらに、見た目の美しさももちろんですが、マスターXライトには耐久性も兼ね備えるためにクロモリのオールメッキ加工もされています。
クラシカルなクロモリフレームらしいホリゾンタルスタイル含め、インプレ情報などで芸術品と評されることもある外観の美しさがまず目に飛び込んでくるフレームです。
コルナゴ・マスターXライトはレースに使えるというインプレ評価が多い!
コルナゴのマスターXライトですが、インプレ情報ではデザインの評価の高さに加え、レースでも戦える性能の高さを評価する声も多く挙がっています。
フレーム重量は1550gありますので、軽量のカーボンフレームに乗りなれていればそれなりに重さを感じる重量ではあります。
しかし、マスターXライトは一般的なクロモリフレームに比べて剛性が高く硬めの仕上がりになっており、そのしなりが重さを感じさせない仕様になっています。
その秘訣とも言えるのが、チューブを星形断面になるようにつぶしを入れた「ジルコ加工」と呼ばれる製法です。
クロモリフレームの大きな特徴でもあるバネ感や当たりの柔らかい乗り心地は、しなりがある丸型断面のチューブのおかげでもあるのですが、ややパワーロスをしてしまう面は否めません。
しかし、チューブを星型断面にすることで、上下にも左右にもよれやねじれが少なくなるため、剛性が強化されパワーロスの少ないフレームになります。
それに加えてコルナゴ特有のストレート形状のフロントフォークが素直な挙動を後押ししてくれますので、レースでも引けを取らないメリハリの利いた走りができるというわけです。
コルナゴ・マスターXライトの走りに対するインプレ評価
コルナゴのマスターXライトですが、前項でお伝えしたレースで戦えるフレームという評価に加え、クロモリ本来の乗り心地もインプレ情報からは高く評価されていることが分かります。
ロードバイクは高い剛性を確保するとどうしても硬さが際立つために、乗り心地がハードになりがちです。
しかし、そこのバランスが取れているのがマスターXライトであり、インプレ情報を参考にする限りでは、クロモリ特有のバネ感や独特のしなりは失われておらず、快適さも良好とされています。
しかも、ジルコ加工のチューブでパワーロスを防いでいますので、ロングライドに必要となる巡行性の高さも評価されています。
中には、30km/h以上からこのフレームの良さが出るという、カーボンのレーシングフレームのような評価もあり、オールマイティさも垣間見えます。
また、走行感ということではタメが利くという評価が多く、ペダルを漕いだパワーを溜め込み、バネのように一気に開放して加速させるというイメージのようです。
マスターXライトのポジション出しのインプレ評価
コルナゴのマスターXライトですが、冒頭でも触れましたようにサイズ展開の多さは目を見張るものがあります。
しかも、一般的にはサイズごとに細かい設定がされない、チェーンステー(リアセンター)もサイズによって長さを変えています。
これだけのサイズ展開があればステムで無理に調整する必要もありませんし、チェーンステーの長さも乗車姿勢に大きく関係してきますので、ポジションを出しやすいというメリットがあります。
そして、そのステムもアヘッド式、スレッド式が選択可能になっており、ハンドルに合わせたマッチングができます。
クラシカルな雰囲気も持つマスターXライトにシルバーのスレッドステムを合わせるのもおしゃれかと思いますし、戦闘力抜群のオーバーサイズのカーボンハンドルを使用するためのアヘッドステムでも良しです。
ちなみに、インプレ情報を参考にすると、昔ながらのスレッドステムを合わせているユーザーが若干多い印象です。
マスターXライトと共にコルナゴを代表する機種
ここまでコルナゴのマスターXライトのお話をしてきましたが、コルナゴにはまだまだご紹介したい機種がありますので、インプレ評価の高い機種を中心にお伝えします。
【C64】
コルナゴのフラッグシップモデルである「C」シリーズの最新モデルです。
カーボンフレームですがマスターXライト同様にイタリアの自社工場ラグ製法で、コルナゴらしい美しさとレースに耐えうる剛性を兼ね備えています。
C64よりスローピングスタイル一択となり、さらにレースに特化した仕様になったのも、レーシングメーカーとしてのプライドが垣間見えます。
【V2-R】
全体的に高めの剛性を確保しつつ重量減を図り、835g(未塗装)というコルナゴの最軽量フレームとなったのがV2-Rです。
コルナゴがロードバイクを供給するワールドチーム「UAE チーム・エミレーツ」の選手の使用率が高く、レースで戦えるフレームであるという証明がされています。
【A2-r】
高級なモデルが多いコルナゴの中にあって、アルミの完成車エントリーモデルがA2-rです。
エントリーグレードとはいえ、コルナゴが守ってきたレーシングモデルの伝統が引き継がれており、推進力の高いバイクに仕上がっています。
また、適応身長150cm~の400Sサイズから展開されており、コルナゴへの入り口が広がっているのもうれしいところです。
オールマイティに長く乗れる1台
コルナゴのクロモリフレーム「マスターXライト」は自社工場で1本1本手作りされる、正真正銘のメイド・イン・イタリアです。
コルナゴらしい美しい外観に加え、今でもレースで戦えるほどの剛性と、クロモリらしい乗り心地の良さを兼ね備えたオールマイティな仕様が、広いユーザー層に支持されている理由です。
フルメッキ加工やラグ製法など、耐久性を重視した製造コンセプトの下で作られていますので、長く1台に乗りたい方にもおすすめです。