こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
以前、背の低い女性から、ビアンキのロードバイクが欲しいという相談を受けました。
「女性専用モデルっていうのがあるみたいだけど何が違うの?」との質問。
そうですね、なかなかギクリとする質問でした。
そんなわけで今回は女性モデルのロードバイクのお話です。
普通のロードバイクと何が違うの?女性モデル
ロードバイクの女性モデルって、普通のモデルと何が違うのか、ということから始めましょう。
女性モデルというのは、最近はいろいろメーカーで用意されています。
基本的には、
・女性に好まれそうなカラー
・背の低い人でも乗れる小さいサイズがある
・サドルが幅広(女性の方が男性より骨盤が大きいのです)
の3点が特徴です。
特に背の低い女性は、小さいサイズがあると嬉しいですよね。
しかしですね。
ビアンキの場合、DAMA BIANCAという女性専用ラインナップはあるんですが、基本的に通常モデルとジオメトリ(フレームサイズの詳細)がほとんど同じなんです。
ジオメトリというのは、メーカーホームページかカタログかで見れるのですが、どうも同じ数字のようなんですね。
これは困りました。
サドルについては、女性向けのものが付いていますね。
ビアンキの女性モデルは珍しい
でも、よくよく調べていくと、フルカーボンのINTENSOは、少しだけトップチューブが短いようです。
INTENSOなら、女性モデルでも通常モデルでも、一番小さい44のサイズであれば、背が低い人でも乗れそうです。
しかし、まだ問題は続くのです。
ビアンキをはじめとするヨーロッパメーカーのロードバイクは、日本に入ってくる年間での台数が決まっていて、特に小さいサイズは少なく、なかなか見付からないんです。
「他のメーカーじゃダメですか?」
と聞いてみると、
「ダメってことはないですけど、できればビアンキの色が綺麗だからビアンキが良いですかねー」
とのこと。
女性モデルのロードバイクが豊富なメーカー①
「アンカーは駄目ですか?」
「アンカー?」
「そう、ブリヂストンアンカー。日本メーカーで日本人向けのフレームを作るので、小さい人でも乗りやすいんですよ」
「小さい人……」
「そう、ヨーロッパ人はどうしても背が大きい人が多いですからね。その点、日本のアンカーや、最近は台湾のGIANTなんかも女性モデル、小さいフレームサイズの展開を頑張ってますよ。小さい人でも乗れますよ!」
「小さい人……」
背が低いっていうのを意外と気にしていたようです。
女性の場合、背が低いのも可愛いってことで良い気もしますが。
「でも、女性の場合、男性よりも手足が長い場合が多いので、身長に対してちょっと大きいフレームでも乗れちゃう場合もあるんですよ」
「それなら、やっぱりビアンキが良いです」
そんなわけで自転車屋さんに行ってみたものの、やはりビアンキの小さいサイズは残っていませんでした。
「予約しとけば次のモデルで入荷できますよ」
「初めてなので、またがらずに20万円以上のロードバイクを買うのはちょっと……」
というわけで、残念ながら自転車屋さんを後にしました。
女性モデルのロードバイクが豊富なメーカー②
「やっぱりビアンキじゃないとダメですか?」
「いや、無いなら仕方ないですよ。でも、やっぱりヨーロッパのメーカーが良いですね」
「アメリカは駄目ですか?アメリカメーカーも、最近は女性モデルに力を入れてますから」
「アメリカならOKです!」
まあ、何となく気持ちは分かります。
ロードバイクを初めて買うときに、Panasonicは嫌だと感じますもんね。
自転車に詳しくなった今となっては、Panasonicのクロモリやチタンは大好きですが。
Panasonicのクロモリは、かつてツールドフランスでも大活躍しましたからね。
でも、やっぱり初心者の頃はロードバイクってヨーロッパとか向こうの国の乗り物っていうイメージですからね。
そんなわけで、アメリカメーカー、TREK(トレック)かCANNONDALE(キャノンデール)、SPECIALIZED(スペシャライズド)あたりにしましょうという話になりました。
でも、やっぱりビアンキが……
アメリカメーカーにしようということで、インターネットであれこれロードバイクを見ていますと、
「ビアンキのあの色って他のメーカーは無いんですか?」
とのこと。
あの色と言うと、チェレステカラーですね。
青と緑の中間のような、イタリア語で青空のチェレステ。
「そうですねぇ、チェレステはビアンキだけですねぇ」
「あの色がやっぱり良いですねー」
女性とはワガママな生き物ですね。
女性の買い物に付き合うのは大変です。
しかし、自転車普及のために頑張ります。
「CANNONDALEもカッコいいですよ!」
「カッコよさは私には必要ないですー」
「TREKもシンプルで素敵ですよ」
「シンプルは良いですけど、チェレステが良いですー」
困ったものです。
ちょっと無理してでもビアンキか?
「じゃあ、ビアンキの新モデルが来るまで待ちますか?」
「どうしますかねー。さっきのお店にあったやつってやっぱり乗れないですかねー」
さっきのお店に、ひとつ大きいサイズのロードバイクならあったんですね。
「そうですねぇ。ちょっと無理があると思いますよ」
「やっぱり無理して乗ると困るんですか?」
「無理して大きいサイズに乗ると腰が痛くなったり、あれこれ困りますよ。ハンドルが遠くなり過ぎちゃうんですよ」
特に男性は大きいサイズだと停車した際に、トップチューブに股間が当たるので、急停車したときに、とても痛いことになります。
女性は、そういう痛みはないでしょうが、やはり無理して大きいサイズに乗っても、楽しく乗れないのでよろしくないです。
ちなみに、小さいサイズについては、ある程度調整が効きます。
「どうしますかねー。とりあえず、もうしばらく考えてみますかー」
「それが良いと思います」
2台目以降でビアンキにするのもアリ
その後、彼女はとてもラッキーで、僕の知人の女性がロードバイクを買い替えるということで、前に使っていたアンカーを安く譲ってくれるとのことで。
「ビアンキじゃないけど良いですか?」
「1台目ですし、とりあえず安く手に入るなら、それで試してみます」
そんなわけで、めでたく問題は解決して、彼女は楽しくロードバイクを始められましたとさ。
サイズもちょうど良かったようです。
そう、とりあえずは楽しく乗ることが大事です。
確かに好きなメーカーにこだわるのも大事ですが、ロードバイクも乗り物なので、何年かしたら新しいのに買い替える時もきます。
上のグレードが欲しくなったり、ボロボロになったり、理由は様々ですが。
その頃には、自転車の知識もいくらか増えているでしょうし、すでに乗っている車体があれば、何となくのサイズ感、自分が乗れるサイズというのは分かるようになっていたりします。
また、乗り始める前の頃とは好みが変わるかもしれません。
チェレステのビアンキじゃなくて、かっこいいCANNONDALEが欲しくなっているかもしれません。
あるいは、やっぱりビアンキが欲しいかもしれません。
どちらにせよ、何も知らなかった頃より上手に選べるでしょう。
ビアンキが欲しければ、モデルチェンジの前の時期に、きちんと予約をするとか。
もしかすると、その頃には女性ライダーの増加にともなって、ヨーロッパメーカーの小さいフレームも、今より手に入りやすくなっているかもしれません。
まとめ「女性モデルのロードバイクは難しい」
さて、いかがだったでしょう。
実は、分かりやすいように、ちょっとフィクションも混ざった話だったのですが、結構、同じような悩みを抱えている女性は多いんじゃないでしょうか。
ビアンキに限らず、ヨーロッパメーカーは、どうしても輸入台数が限られているので、小さいサイズや人気車種は予約しないと手に入りにくいんです。
でも、初めての1台の場合、やはり1度またがってから買いたいものです。
身長155cm以下の人は少し不本意かもしれませんが、1台目はアメリカメーカーやアンカーなど、女性モデルに強いメーカーを選ぶのが無難かもしれません。