スポーツ自転車が普及してきて、最近では自分で自転車の交換やメンテナンスをする方が増えてきたかと思います。
自転車のブレーキを取り外したり、交換するときには、ブレーキの位置を調整しなければいけないことがあります。
今回は、自転車のブレーキの位置調整について説明していきます。
自転車のブレーキ調整は出来るようにした方がいい
自転車のブレーキは一種類だけではありません。
ロードバイクならキャリパーブレーキ、カンチブレーキ、ディスクブレーキなどが挙げられ、クロスバイクならVブレーキと呼ばれるものを使っています(例外もあります)。
クロスバイクをロードバイクのように改造したければ、コンポーネントはもちろんのこと、ブレーキもキャリパーブレーキに取り替えたいところです。
しかし残念なことに、クロスバイクのフレームは、キャリパーブレーキを付けられない造りになっています。せいぜいブレーキの位置を変えるくらいですね。
そういうわけなので、せめてブレーキに不具合が起きた時、対処出来るように調整の仕方を身に付けておきましょう。
ブレーキは、どんな乗り物にも欠かせないものです。これがなければ上手く停止が出来ません。
いざという時に動いてくれなければ、とても困るので、こまめな点検なども普段からしっかりと行うようにしましょう。
自転車をメンテナンスするとなると、何だか複雑そうなので難しいのではと思いがちですが、慣れるとあっさり出来てしまいます。
自転車のVブレーキの位置の調整方法
自転車のブレーキの中でも、Vブレーキの調整はコツを掴むまで大変ですが、何回もやって慣れていくしかありません。
まずは道具を揃えます。
用意するものは「プラスドライバー」「アーレンキー」「5mmプライヤー」です。
最初に取り掛かるのはVブレーキシューです。
アーレンキーでケーブルを留めているボルトと、ケーブルも取り外します。
そしてドライバーを使って、Vブレーキのバネが利かなくなるくらいスプリングボルトを緩めましょう。
両方緩めると、リムにブレーキが付いたままになります。
続いてシューを調整します。取り付ける時は後ろに若干の隙間を作るイメージで、斜めに傾けましょう。
角度が決まったらスプリングボルトを締め直し、クイックリリースを付け、指で押さえて仮止めします。
その後は、必ずブレーキを何回か引いて、よれたワイヤーを直します。
シューとリムの幅をある程度取ったら、もう一度ブレーキを引き、幅をさらに広げます。
最後はプラスドライバーで、シューとリムの位置を調整します。
強く締めると、締めた方のリムとの隙間は広がりますが、反対のリムは狭くなります。
大体1~2mmくらい空いていればオーケーです。狭すぎるとレバーが固くなるので、自分が引きやすいところに設定すれば良いでしょう。
終わったら、実際に乗って様子を見ます。鳴きが出たら角度が甘めになっています。
自転車のブレーキシューの位置の調整方法
今回はシマノのマニュアルを参考にして、自転車のブレーキの位置を調整しました。
行程をざっと説明すると以下の手順となります。
1.ブレーキの本体を留める
2.ブレーキシューを取り付ける
3.ケーブルを固定する
4.ブレーキシューをセンタリングする
5.シュークリアランスを再調整する
調整は、ブレーキやブレーキシューを新しいものと取り替えた後や、ホイールを取り付ける際にシューが傾いた時に行ないます。
それでは、上記の手順を詳しく見ていきましょう。
まずアーチを握り、シューを強く当てながらブレーキを付けます。
アーレンキーなどを使うとボルトを締めやすいですよ。
次に、リムの上側に1mmほどの隙間を空けた状態で、リムとは平行になるようにブレーキシューを取り付けます。
そうしたら、センタリング調整ネジで、片効きを直します。
片効きとは、左右のバランスが取れていなかったり、リムにくっついていることを指します。
シューとリムの隙間が同じくらいの幅で、合計すると3~4mmになるようにして下さい。
最後はシュークリアランスの再調整です。
ケーブル調整ナットを回して、センタリングと同じように4mmほどの隙間が空くようにします。
クロスバイクのブレーキレバーの位置の調整方法
自転車の中でも、今回はクロスバイクのブレーキの位置を調整します。
用意するものは「ヘキサレンチ」です。これを使い、ステムのサイドに付いているボルトを緩めます。
まずは、上側のボルトにレンチを差し込んで、反時計回りに回転させます。
90度の角度で回したら、今度は下側のボルトを同じだけ回します。
レンチを直角に持つと力を入れやすくなります。交互に緩めることがコツです。
ボルトを緩めたら、車輪を押さえてから、ハンドルを手前に曲げてみて下さい。
後は好きな角度に動かすだけです。
続いてブレーキレバーです。
ハンドルの裏側に調整用のボルトが付いていることが多いので、確認してみましょう。
見つけたらレンチを差し込み、先程のステムと同じく反時計回りに回せば緩められます。
するとレバーが、上下左右と好きな方向に動かせるようになるので、自分が使いやすい位置を探せばオーケーです。
ベストな位置に来たら、ボルトを締め直しましょう。ボルトの頭部分を壊さないように、力の込めすぎには気を付けて下さい。
ドロップハンドルの交換でブレーキレバー取り外そう
自転車のブレーキレバーを外すために、まずはドロップハンドルを取り替えましょう。
ハンドルは手で直に触れるため、素材はもちろん、幅や曲がり具合などの違いを比較的判断しやすいパーツです。
最初にバーテープを剥がします。
粘着テープなので、綺麗にはなかなか剥がせないかと思いますので、せめて屑が散らばらないように気を遣いましょう。
ついでに、その下のワイヤーとハンドルをくっつけているテープも剥ぎ取ります。
テープを全て剥がしたら、STIレバーを外します。
レバーを留めているボルトの位置はモデルによって違います。
ボルトを見つけたら、5mmのアーレンキーを使い、ぎりぎりまで緩めましょう。すると左右のレバーが外れます。
それでは、いよいよドロップハンドルを取り外します。と言っても、ステムとクランプ部分のアーレンキーを緩めるだけです。
下側に付いているボルトを外す癖を付ければ、ハンドルの落下を防止出来ます。
取り付ける時は、今の手順を逆にやればいいのです。ボルトを留める際は、下側からにしましょう。
隙間を同じくらいの幅にしておかないと、バランスが崩れてすぐに緩んでしまい、故障へと繋がります。
道具を使わなくても、自分の感覚で測って構いません。
最後は、4本のボルトを順番に締めていくだけです。
ドロップハンドルの交換でブレーキレバーを取り付けよう
ドロップハンドルを自転車に取り付けたら、角度を調整しましょう。
まっすぐな棒を当てて角度を見るのですが、近頃のハンドルは、下の部分が直線ではないこともあるため、簡単に角度が変わります。
そういうことなので、自分の好きな位置に合わせて構いません。一応の目安は、ロゴが正面を向くような位置です。
左右のSTIレバーのバランスは、棒や輪ゴムをあてがってやれば、ハンドルと平行かどうかが分かります。
このバランスが崩れていると、身体もだんだん歪んでくるので気を付けましょう。
確認用のメモリもあるのですが、そんなにあてにならないので、使わなくても問題はありません。
高さだけではなく、向きも確かめましょう。
自転車の後ろに回って、まっすぐ見れば良いです。
ここまで出来たら、今度は実際に乗ってみます。そしてハンドルやレバーが馴染むかどうかをチェックして下さい。
それが終われば、後はバーテープを巻くだけですが、その前にブレーキワイヤーをハンドルに沿って固定させます。
留めるには、ガムテープやビニールテープなど、剥がれにくく強力なものを使いましょう。
シフトアウターも同じように留めてから、バーテープを巻き付けましょう。
ブレーキの位置調整は大事
自転車のブレーキの位置調整は交換やメンテナンスの際に必ず行いましょう。
ブレーキは自転車を乗る中で安全を司るパーツです。
ブレーキの効きが悪いと止まれると思っているタイミングが違い、結果的に事故を引き起こす可能性があります。
ブレーキを触るときはしっかり位置調整をして、安全に自転車に乗りましょう。