自転車乗りの皆様、自転車本体ではなく、自転車のパーツのみを購入したことはありますか?
もちろんチューブも自転車のパーツの一つです。
チューブはタイヤの内側にあるため、グリップやサドルなどと違い、簡単にサイズを測って購入することは難しいイメージがありますよね。
今回は、そんな自転車のチューブの選び方をご紹介します。
自転車のチューブの選び方Part1
チューブの選び方は、市販の自転車のチューブに表記されているものを参考にします。
例えば、700×23cと表記されていたら、『700』と『23c』という2つの数字にして考えます。
『700』はタイヤの外径で、『23c』はタイヤ幅のことです。
どちらも単位は、『mm(ミリ)』で読み取ります。
23cの『c』の意味は、リム幅のことです。
a<b<c<dと幅広になりますが、日本ではcだけのようです。
中には、700cという表記もあります。
この場合は、単位がインチとなっています。
a=3/8インチ
b=1/2インチ
c=5/8インチ
a<b<cの順番で幅広になっていきます。
【700cの場合】
1インチ=25.4mm(約25mm)なので
700mm/25mm=28インチ+5/8インチとなります。
c以外はほぼないため、省略して700のみで記されていることもあります。
タイヤの円周の長さと幅で、チューブを選ぶようにします。
表記法は他にもあり、28×1-1/2、27×1と表記されているチューブもあります。
これも単位はインチで、28×1-1/2
タイヤの外径が28インチ=28×25.4mm=711mmで
タイヤ幅が1+1/2インチ=25.4+25.4/2=38.1mmのタイヤになります。
タイヤのメートル単位仕様はフランス式で、インチ単位仕様はイギリス式です。
自転車のチューブの選び方Part2
自転車のチューブの選び方の続きです。
チューブサイズは色々表記されていて、混乱しやすいです。
メートル単位からインチ単位に数値変換したとき、計算が合わず、数値がズレてしまうこともあります。
このズレは深く気にしなくても大丈夫です。
例えば、27インチと言っても、タイヤの幅によって、数字の差が微妙に出ていたりします。
また、チューブは空気を入れるので、タイヤの太さと完全に合っていなくても大丈夫です。
ロードバイクやクロスバイクのタイヤの太さが、『700×18c』と『700×20c』があります。
この2つに合わせるチューブは『700×18/20c』で良いのです。
選び方の注意点として、メーカーによっても、チューブの長さが変わることがあります。
一番長いものと短いもので、90mmちかく差が出ます。
長いものは上手に入れるようにしましょう。
ロングライドをよくする方は、パンクしにくいもの。
レースによく出る方は、軽量のもの。
といったように、自分が自転車をどのように使用するのかを考えて、タイヤサイズと使い方に合うチューブを選びましょう。
英式バルブの自転車について
自転車のチューブの選び方で、注意したいのがバルブです。
英式バルブと仏式バルブがあります。
英式バルブは、日本でよく使われているタイプです。
ママチャリなどに使われている一般的な空気入れの形なので、目にしたことがある方も多いはずです。
高い空気圧まで入れることはできません。
空気を入れた後、空気圧の微調整ができず、空気圧を測ることもできません。
タイヤメーカーのパナレーサーは、「タイヤメーカーはタイヤの指定空気圧を守るように注意喚起しているのに、空気圧を測れない英式バルブというものは、その理屈から外れる商品である。
よって、空気圧を測れるようにするため、英式バルブを米式バルブに変換する小物を製造・販売し、推進していきます。」と言っています。
バルブの中の虫ゴムは、1年ほどで劣化してしまいます。
劣化してしまうと、空気が漏れてくるので、定期的に交換するのをおすすめします。
キャップがないと、虫ゴムが空気に触れ、劣化しやすくなるので、キャップは必ずつけましょう。
仏式バルブの自転車について
英式バルブは、一般的な自転車に使われているものでしたが、仏式バルブは、スポーツ車用によく使われています。
ロードバイクの場合は、100%仏式バルブになっています。
高い空気圧に耐えることができ、空気を入れた後、空気圧の微調整もできます。
また、英式バルブとは違って、空気圧を測ることもできます。
筒にネジが付いているタイプと、付いてないタイプがあります。
チューブラータイヤの仏式バルブや、ヴィットリアのチューブはねじ山のないタイプになります。
ねじ山のあるタイプよりも若干細くなるので、空気入れによっては、入れられないこともあります。
空気入れの選び方に注意しましょう。
ヒラメのポンプヘッドは、この問題に対応しているので人気があります。
締め付けるときは工具で締め付けると、チューブが破れてしまうこともあるので、指でぎゅっと締め付けるのがよいでしょう。
チューブラータイヤとチューブレスタイヤも仏式です。
背の高いリムに対応したロングバルブもあり、単位はmmで表します。
延長バルブである、バルブアダプターで長くすることもできます。
自転車のチューブの素材と厚み
自転車のチューブの素材で、広く使われているのはブチルというゴムです。
耐久性も高く、厚みにより軽量なものから強度重視のものまであります。
軽量なものは、厚みが約0.45mm
一般的なものは、厚みが約0.95mm
強度重視なものは、厚みが約1.2mmです。
チューブの素材には、天然ゴムを使用したラテックス製のものもあります。
伸縮性が高く、ブチル製のチューブより、乗り心地がかなり良くなります。
人によっては、チューブレスタイヤと優劣が付け難いくらい、乗り心地の良さになるようです。
上述しましたが、チューブの選び方は人それぞれです。
厚みの薄いものは軽量を求める方が、厚みのあるものはパンクに強い方が良いという方が選びます。
チューブは消耗品ですので、色々試すのもありかと思います。
自転車のタイヤの選び方
自転車のチューブを取り付ける、タイヤの選び方をご紹介します。
タイヤを交換するときに、確認することは、ビード径が同じであることです。
数値が違うと、リムにタイヤを付けられません。
ビード径は少しの違いも通用しないので、注意してください。
例えば、ビード径が3mm小さくなると、周長では1cmも短くなってしまいます。
ビードワイヤーは伸びない銅線でできているので、これが短いとリムに付けることができません。
また、ビード径が大きくなると、リムに対しても大きすぎるので、付けることができません。
安全性とマッチングを重視し、タイヤサイズを変更するのであれば、今使っているタイヤを中心にして考え、上下ワンサイズまでとしましょう。
クロスバイク用のタイヤの場合、今のサイズが32-622であれば、交換可能なサイズは、28-622か35-622がよいです。
交換できないサイズは、25-622で、パンクの多発やリムとの相性問題があります。
また、38-622は、リムが外れたり、フレームとの干渉があります。
32-630は、ビード径が違い、付けることができません。
ロードバイクは、フレーム設計にシビアなので、特に注意してください。
どうしても2サイズ変えたい場合には、自転車屋さんに相談しましょう。
チューブの膨らみについて
チューブをタイヤに入れる前に空気を入れてみたところ、空気の膨らみ方が均一ではなかったというお話を聞いたことがあります。
このチューブは不良品なのでしょうか?
いいえ違います。
実は、軽量化のため薄いチューブの肉厚は完全な均等でない場合があるのです。
チューブのわずかな肉厚の違いは、走行性能に影響はありませんのでご安心ください。