カンチブレーキの鳴き!解消方法とその他メンテナンス方法

シクロクロスに使われていることが多いカンチブレーキですが、調整が難しいですよね。

うっとおしい鳴きが発生したとき、どのように解消すればよいのでしょうか。

カンチブレーキのメンテナンス方法と、お役立ちグッズのご紹介もしていきます。

カンチブレーキってどんなブレーキ?構造とタイプ

カンチブレーキは、古くからあるブレーキです。
昔はマウンテンバイクにも使われていたのですが、現在はシクロクロスやランドナーによく使われているくらいです。

カンチブレーキの特徴は、他のブレーキよりも調整が難しいことです。

調整は非常にシビアで、少しズレがあるだけでブレーキ鳴きが起こりますし、本来の制動力を発揮できなくなります。

そのため、シクロクロスであっても街乗りタイプであれば、Vブレーキが採用されるモデルが増えており、カンチブレーキは少なくなってきています。

カンチブレーキの部品としては、ブレーキ本体・アーチワイヤー・チドリ・ブレーキシューとなっています。

アーチワイヤーで、ブレーキワイヤーの引く力を90度曲げて、ブレーキを押さえ込む構造です。

カンチブレーキのタイプには、ボルトとナットがパッドに付属しているボルトタイプと、パッドからロッドが伸びているロッドタイプがあります。

ブレーキシューのサイズは、制動力を上昇させることを目的としたブレーキシューの長いものがあります。

それ以外の短いブレーキシューは、シマノ製であればカーボンのディープリムに対応しているので、シクロクロス競技で重宝されています。

カンチブレーキの鳴きはブレーキシューのトーイン調整で解消

カンチブレーキを使っていると、自転車の種類を問わず、ブレーキ鳴きが発生することが多いでしょう。

なぜブレーキ鳴きが発生してしまうのかというと、主な原因はブレーキシューの角度です。
ブレーキシューは、トーインになるようにセッティングしてください。

トーインというのは、ブレーキシューを上から見たときに、前のほうが狭くなっている形のことです。
つまり、上から見たときにブレーキシューがハの字になっている状態がトーインです。

トーインの「トー」とはつま先のことで、つま先を「イン」した形、すなわち、つま先を内側に入れた形だと覚えると良いでしょう。

なぜトーインにしないとブレーキ鳴きするのかというと、制動時にブレーキシューが巻き込まれるように変形してしまうからです。

ブレーキ鳴きとは、ブレーキシューが変形することで鳴っていたというわけです。

それを見越して、ブレーキシューをトーインにして、ブレーキシューの面に均一な力が掛かるようにして、ブレーキシューの変形およびブレーキ鳴きを防ぎましょう。

それから、トーインにすることでブレーキタッチが柔らかくなる傾向があるので、それは注意してください。

カンチブレーキの鳴きを解消!トーインのつけ方

カンチブレーキのブレーキ鳴きを解消するには、ブレーキシューをトーインにするのが一番です。

そこで、ブレーキシューにトーインをつけるセッティングをしていきましょう。

用意するものは
厚手の紙、もしくはビニールテープです。

ブレーキシューをトーインにするといっても、大げさにつけるわけではなくて、わずかなトーインするだけなので、厚手の紙を当ててガイドにしましょう。

それから、ブレーキシューのボルトを緩めていきましょう。

シューのボジションをズラすだけなので、外してしまう必要ありません。
シューの後ろに厚手の紙を挟んで、軽くブレーキを握ってください。

そして、ボルトを締めていきましょう。

そうすると、厚手の紙のぶんだけトーインになっているはずです。
前後にブレーキ鳴きがある場合は、合計4箇所に同様のセッティングを行いましょう。

そうしたら、実際に乗ってみてブレーキ鳴きが起こるか確認してみてください。
トーインが弱いかなと思ったら、厚手の紙を変更するか、紙を増やして調整していきましょう。

そのように試行錯誤していくうちに、上手いセッティングになると思います。

鳴きを解消するおすすめブレーキシューチューナーの比較

カンチブレーキのブレーキ鳴きを解消するためには、トーインをつけることが大切ということをお伝えしました。

トーインするのに、おすすめなブレーキチューナーが販売されています。

まずは、固定ローラーなどを生産しているTacxのブレーキチューナーです。
Tacxのブレーキチューナーの最大のメリットは、蝶ネジによってリムに固定することができることです。

慣れていないと、アーレンキーで何度もボルトを開けたり締めたりして、ブレーキシューを調整することになります。
これなら、ガイドを固定することができるので作業しやすく、そして繰り返すことなく、一定のトーインを作ることができます。

また、リムの上面から1mmの隙間を作れるところも魅力です。
1mm隙間があることで、タイヤとブレーキシューの接触を防ぐことができます。

タイヤとブレーキシューが接触してしまうと、パンクの原因になるのですが、それを簡単に防げるというわけです。

Jagwire(ジャグワイヤー)のブレーキチューナーは手を離すと落ちてしまうので、ブレーキシューで軽く挟みながら作業するようにしましょう。

そしてメリットは、Tacxのブレーキチューナーでは作業できない、ホイールにも使えることです。

Tacxのブレーキチューナーは蝶ネジで止めるわけですが、洗濯バサミのように止めるので、スポークが過密で隙間が取れないホイールには使用できません。
また、最大の開きが24mmなので、それより太いリムにも使用することができません。

しかしJagwireのブレーキチューナーなら、左右で独立しており、どのようなホイールでも装着可能となっています。

カンチブレーキのメンテナンス!片効き調整

カンチブレーキの調整は、ブレーキ鳴きだけはありません。
片効きの調整も行いましょう。

カンチブレーキの場合は、左右のブレーキシューの隙間が均等になっていないことがあります。

そのまま使っていると、片方だけ異常に削れてしまうので、均等に削れていくように隙間を調整していく必要があります。

片効きを直すには、まずはリムの振れがないか確認しましょう。
リムが振れていると、部分的に片効きになってしまいます。

ホイールを空転させてみて、リムとブレーキシューの隙間に注目してください。

隙間が変化していないでしょうか。
隙間の変化があまりに大きい場合は、リムの振れを取り除いてください。

振れ取りする場合は、コツがいるので、専門店などに依頼すると良いでしょう。

ブレーキシュー側が原因であれば、左右のブレーキアームについているネジを調整してください。
隙間が狭いほうの調整ネジを緩めて、左右の隙間を均等にしましょう。

調整ネジが片方にしか付いていない場合でも、やることは同様で、調整ネジを締めたり緩めたりして、左右の隙間を均等にするように調整してください。

カンチブレーキのメンテナンス!ブレーキシューの交換

カンチブレーキのブレーキシューには交換時期があります。

ブレーキシューが減って、溝がなくなっていたら交換してください。
もしくは、リミットラインが出てきたら交換するようにしましょう。

また、シューが磨耗していなくても、劣化している場合があるので、1年を目安に新品に交換しましょう。

ブレーキシューを交換するには、まずは取り外さないといけません。
10mmスパナと5mmのアーレンキーを使って、シューのボルトを緩めてシューを取り外してください。

そして、新しいシューに交換しましょう。
取り外すのと逆の手順、つまりボルトを締めていけば取り付けられます。

ブレーキシューの交換は慣れていないと難しいこともあるので、できれば、左右別々に行うことをおすすめします。

ブレーキシューには左右がありますし、上下もあります。

そして、左右均等な隙間になるように装着しなければなりませんし、ブレーキ鳴き対策のトーインをつける必要があります。

左右同時にブレーキシューを外してしまうと、それらの作業が2つになってしまって大変なので、1つずつ確実に交換するようにしましょう。

ブレーキの鳴きを解消するトーインのつけ方とメンテナンス

カンチブレーキの鳴きを解消するには、ブレーキシューのトーイン調整が有効な場合があります。

鳴きが出たときに、試してみてください。
ブレーキシューチューナーを使うのもおすすめです。

また、カンチブレーキのメンテナンス方法もご紹介しましたが、やや難易度が高いので、自信のない方は無理していじらずに、ショップに持ち込んで見てもらってください。