ロードバイクのペダルと言えば、靴とペダルがガチャッと一体になるビンディングペダルですね。
しかし、ビンディングペダルにもいくつか種類もありますし、人によってはビンディングは怖いと感じる人もいます。
ビンディングペダルの恩恵は『引き足が使える』『高回転でも脚が外れない』『脚が外に開かない』など、いくつかありますが、とにかく『力のロスがない』ということに尽きます。
基本的には、どこのメーカーのビンディングペダルにも共通のメリットです。
さらに、メーカーによって特色もあります。
また、サイクリングの途中に観光などをするという使い方をするなら、歩きやすいシューズが使えるのも重要なポイント。
今回は、おすすめのペダルをランキング形式でご紹介したいと思います。
【第1位】だれもが納得できる『シマノ・デュラエース』
【SHIMANO(シマノ):DURA-ACE(デュラエース)R9100シリーズ PD-R9100】
SHIMANO(シマノ):DURA-ACE(デュラエース)R9100シリーズ PD-R9100
良いペダルが欲しいなら、デュラエースペダルが間違いないです。
やはり世界のシマノ、そしてシマノの最高グレード、デュラエースは非の打ちどころがありません。
ロードバイク用ビンディングペダルと言えば、大きい会社ではシマノ・LOOK・スピードプレイ・TIMEの4社くらいしかありません。
(日本の三ヶ島も出していますが)
どのメーカーもそれぞれに特徴があり、メリット・デメリットがありますが、一番バランスが取れているのはシマノでしょう。
ロードバイク用ビンディングペダルに求められるものは、『力の伝達効率』『ベアリングのスムーズさ』『軽量性』『耐久性』『着脱の使いやすさ』と言ったところでしょう。
特に、シマノのペダルは、力の伝達性・ベアリング性能・耐久性に優れています。
剛性がしっかりしていて、強く踏み込んでも、力がロスする感じがありません。
現行のデュラエース9100の重量は、左右セットで228gという軽さも実現しています。
また、シマノのビンディングでのメリットは、交換クリートが簡単に手に入るということです。
使用人口が一番多いので、クリートカバーなどの製品も充実しています。
デュラエースはアルテグラと比べると、グッと値段が上がりますが、ペダルの場合、ホイールと違って3万円もしません。
また、比較的簡単に自分で交換できるパーツですので、初めてのデュラエースとして、ペダルだけ使うというのも良いですね。
【第2位】ロードバイクペダル界の大御所『LOOK』のペダル
【LOOK(ルック):KEO2 MAX】
ロードバイクなどのペダルの大御所と言えば、LOOKですね。
今でこそ、シマノのペダルを使っている人が大多数になっていますが、最初に本格的なビンディングペダルを作ったのはLOOKです。
そして、シマノのビンディングペダルも、LOOKのビンディングシステムを真似て作っています。
ですから、シマノとLOOKのペダルについては、構造が同じですので、使用感は似ています。
外見としてはやはり、みんなが使っているシマノよりも、ヨーロッパブランドのLOOKの方がカッコイイように思います。
ただ、シマノの方が会社も大きいですし、金属加工・ベアリングなどの総合的技術は上でしょう。
やはり、ペダルだけじゃなく、様々な部品を高い水準で作れるシマノは強いです。
もちろん、実際に使用して、LOOKのペダルがシマノのペダルと比べて、良くないということはありません。
交換用のクリートもシマノの方が、どこでも手に入りやすいなど、メーカー規模の大きさでの強みはシマノの方が有利です。
それでも、あえてLOOKのペダルを使う、自転車好きのハートをくすぐりますね。
普段、行っている自転車屋さんでLOOKのペダルのクリートが常備しているのであれば、LOOKもとても良い選択肢です。
LOOKのペダルには、昨今は板バネ式のブレードというモデルもラインナップされています。
板バネ式の装着感には好みがありますが、昔ながらの普通のバネのモデルと、どちらが良いというわけでもないでしょう。
個人の好みです。
【第3位】膝に優しい『TIME』のビンディングペダル
【TIME(タイム):Xpresso 10 (エクスプレッソ)】
(画像引用元:TIME公式サイト)
TIMEは、LOOKから派生してできたペダル会社です。
LOOKが最初にビンディングペダルを開発し、そのときの開発者の一人が「もっと膝に優しいビンディングシステムを作れないか」ということで、設立したのがTIMEですね。
当初のコンセプト通り、TIMEのペダルはすごく膝に優しく、着脱が楽です。
TIMEのペダルが膝に優しいのは、独自のフロート構造です。
フロートとは、足がねじれる遊び幅ですが、これが非常に快適なのです。
シマノなどにもフロート機構はありますが、TIMEのフロートと比べると、単なるペダルの遊びです。
TIMEのフロートは単なる遊び幅ではなく、ほど良い力でまっすぐな向きに足首の方向をサポートするような、独特の感触があり、これが非常に楽なんですね。
ですので、長時間体に負担のかかるロングライドや、自転車の後にランもあり足に負担の大きいトライアスロンなどで、特におすすめしやすいペダルです。
また、見た目のかっこよさもTIMEの良いところですね。
流通している量自体は少ないですが、ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスや、国旗をモチーフにした限定カラーなどもありますので、ワンポイントのお洒落としてもおすすめです。
TIMEのペダルは、上のグレードは天井知らずに高額になっていきます。
一般的には『エクスプレッソ6』くらいでも、軽く作りもしっかりしていますし、『10』でも十分すぎるほど軽いです。
【第4位】初めてのビンディングペダルなら『105』
【SHIMANO(シマノ):105 5800シリーズ PD-5800】
SHIMANO(シマノ):105 5800シリーズ PD-5800
とりあえずのビンディングペダルなら、シマノの105グレードですね。
値段も妥当で、性能も妥当。
全てにおいて妥当で、バランス良いのがシマノ・105です。
ペダル以外でも、どの製品でも「ロードバイクコンポは、とりあえず105」というのは、そういうほど良い値段と性能のバランスにこそあります。
ただ、値段に関して言えば、ここ数年、自転車関連の部品は軒並み値上がりしています。
そのため、105ペダルも、今では1万円越えとなってしまいました。
値段こそ高くなったものの、ボディにはカーボンコンポジットも使われていますし、今の105は昔のアルテグラ以上の性能があると言っても、差し支えないでしょう。
時代の進歩もありますし、単純に値段が上がったぶん、使っているものが良くなったということもあります。
実際、現行の105ペダルは、昔のアルテグラと同じ程度の値段ですからね。
重量面では285g、現行のアルテグラペダルが約260g。
ちなみに、デュラエースが約230gですから、やはりグレードの差は飛び越せませんが、重くて困るという重量ではありません。
プラス5,000円も出さなくても、アルテグラにできると考えると、アルテグラの方が良い気もします。
ですが、やはりペダルは1万円前後で欲しいという人が多いでしょうから、やはり105は庶民の味方ですね。
【第5位】旅をするときにおすすめなペダル
【MKS(三ヶ島):SYLVAN TOURING(シルバン ツーリング)】
MKS(三ヶ島):SYLVAN TOURING(シルバン ツーリング)
日本人で旅の自転車に乗るなら、三ヶ島のシルバンツーリングが間違いありません。
シンプルで頑丈で、ベアリング性能も良いフラットペダルの定番です。
本当にシンプルな普通のペダルなのですが、意外とそういう普通のペダルで、三ヶ島ほど作りがしっかりしているペダルって、なかなかないんですね。
非常に個人的な考えですが、コンバースのハイカットに三ヶ島のシルバンツーリングが、私の中では旅の自転車と言えば、そのスタイルです。
アフリカを縦断したときも、そのスタイルでした。
やはり、好きな靴を履けるって大事だと思います。
もちろん、走行性能という話で言えば、コンバースのハイカットはすこぶる微妙です。
ただ、旅とは走るだけじゃなく、暮らすということが重要ですからね。
歩くということも重要なんです。
コンバースのハイカットは歩きやすさに関しても、正直ちょっと微妙なんですが、軽くて足首を守ってくれますし、単純に見た目が好きなんですね。
旅の自転車には、そういう旅人の好みが込められないといけません。
その点、多くの旅人のロマンに応えてくれるのが、三ヶ島のシルバンツーリングペダルだと私は思っています。
もちろん、旅に使わなくても、町乗りなどでもシンプルで頑丈なフラットペダルは便利です。
【第6位】カラーバリエーションが豊富なペダルメーカー『クランクブラザーズ』
【crank brothers(クランクブラザーズ):キャンディ1】
crank brothers(クランクブラザーズ):キャンディ1
他の人と少し違ったパーツを使いたいという人には、クランクブラザーズのペダルがおすすめです。
ビンディングペダルには珍しくカラーバリエーションが多く、独特な見た目もお洒落で、自転車好きの目を引く、ちょっとしたお洒落アイテムです。
SPD系の歩きやすいシューズが使えるので、レースよりもロングライド、ポタリングがメインという使い方でも、非常に便利です。
もちろん、ペダルとしての性能も申し分ありません。
独自のビンディング機構を持っていて、ペダルがどの方向を向いていても、上から下に踏み込んでやれば、簡単に装着できます。
いくらかフロート幅、左右のねじれ方向への遊び幅もありますので、膝に負担が掛かりにくいのも特徴です。
クリートを左右入れ替えると、フロート幅を調整できるのも、便利なポイントです。
クランクブラザーズはマウンテンバイク系のパーツをメインで作るメーカーですが、ロードバイク・クロスバイクなど、どの車種でも違和感なくマッチする良いペダルです。
【第7位】シマノの初心者向けビンディングペダル】
【SHIMANO(シマノ):PD-R540-LA
シマノのロードバイク用SPD SLペダルの、エントリーグレードが『PD-R540-LA』です。
ビンディングペダルとしてはお値段がお手頃で、そして初心者の人にも使いやすい工夫がされているペダルです。
シマノの商品は、名前が品番です。
普通の人には、暗号のような英語と数字の羅列なので、イメージがしにくいかもしれませんね。
PDはペダル、R540は番号、LAとはライトアクションの略です。
このペダルを初心者の人に勧めやすいポイントは、まず手頃な値段、そしてライトアクションです。
ライトアクションとは、軽い動き、通常のビンディングペダルよりも、軽い力で着脱がしやすいということです。
ビンディングペダルに慣れていない人にとっての不安は、
「足がペダルから外れず、コケたらどうしよう?」
ということでしょう。
ライトアクションは、そういう初心者の不安を解決してくれます。
また、ペダルの着脱の力加減は調整ネジが付いていますので、慣れてきてビンディングを強くしたい場合にも、問題ありません。
ライトアクションじゃない通常モデルの、一番固いところまではできませんが、一般的な人は、そこまでビンディングの着脱を固くする必要はない人の方が多いと思います。
【第8位】フラットペダルでもシマノはおすすめ
【SHIMANO(シマノ):SAINT(セイント)PD-MX80】
SHIMANO(シマノ):SAINT(セイント)PD-MX80
フラットペダルの定番が、シマノのSAINTですね。
本来は、ダウンヒル用のフラットペダルですが、町乗りなどの局面でも使いやすいです。
最初から、ロードバイクやクロスバイクに付いているフラットペダルは、安いものが多いです。
そのため、長期間使ったり、登り坂などで強い力を入れると、ヒビが入って異音がする場合も多いです。
ある程度しっかりしたペダルとなると、どうしても「レース用=ビンディングペダル」になりやすく、良いフラットペダルというのは、意外と多くはありません。
シマノのSAINTペダルは、がっちりとしたボディで踏み面が広く、力が伝わりやすく、靴の裏とペダルが滑らないようになっています。
ロードバイクでは、ビンディングペダルの方がロスなく、力が伝達しやすいというメリットはあります。
ですが、信号の多い日本の市街地では、ビンディングペダルは少々不便だと感じることも少なくないでしょう。
レースなどのシチュエーションでは、やはりビンディングの方がおすすめですが、安全に乗るということも、とても重要です。
【第9位】普通の靴でも漕げるビンディングペダル
【SHIMANO(シマノ):PD-A530-L SPDクリート付ペダル】
SHIMANO(シマノ):PD-A530-L SPDクリート付ペダル
「ビンディングシューズに興味はあるけど、やっぱり歩きにくいのは困るし、通勤なんかで使うときには普通の靴でも使いたい」
そういう人におすすめなのが、シマノの片面SPDペダルです。
ビンディングペダルには大きく分けて、ロードバイク用のSPD-SLと、マウンテンバイク用のSPDペダルがあります。
マウンテンバイクでは、降りて押すことも多いので、歩きやすさも重要です。
それに対してロードバイクでは、基本的には自転車の上で、いかに速いかが重要ですので、歩きやすさは考えられていません。
そのため、ビンディングのための部品(クリート)が、靴の底に大きくむき出しになっています。
SPDは元々マウンテンバイク用ですが、もちろんロードバイクで使っても問題ありません。
ロードバイクでも、歩きやすいほうが良いという使い方をする人も、決して少なくありません。
歩きやすいシューズなら、途中で観光したり、お茶したりといったときにも困りません。
また、片面だけSPDで、もう一方は普通のペダルのようになっていますので、普通の靴でも使えます。
「最初は普通のペダルが良いけど、いずれビンディングも試してみたい」
という人にも、おすすめしやすいですね。
【第10位】着脱が簡単なペダルといえばコレ
【MKS(三ヶ島):SYLVAN TOURING NEXT Ezy Superior(シルバン ツーリング ネクスト イージースーペリア)】
MKS(三ヶ島):SYLVAN TOURING NEXT Ezy Superior(シルバン ツーリング ネクスト イージースーペリア)
日本の誇るペダル屋さん・三ヶ島の、フラットペダルの定番シルバンツーリング。
車体との着脱が簡単なモデルが、Ezy Superiorです。
基本性能としては、シルバンツーリングと同じですので、シンプル・頑丈・しっかりしたベアリング性能、という信頼できる性能を備えています。
ポイントは『Ezy Superior』ですね。
工具なしで、簡単にペダルを車体から外せるというものです。
もちろん、走行途中で外れてしまうというようなことはなく、安心して使えます。
「簡単にペダルが外せると何か良いことがあるの?」
と、思う人もいるでしょう。
まず、ひとつめの答えは、簡単に飛行機に自転車を乗せられます。
飛行機に自転車を積むときには、梱包サイズなどの問題で、ペダルを外した方がベターです。
これは飛行機のみならず、電車での輪行でも言えますね。
ペダルを外すためだけに、ペダルレンチを持ち歩いて走るのは難儀です。
ペダルレンチって、意外と軽くないです。
軽い携帯用のものもありますが、強く締めていると、小さい携帯用のものでは、なかなか外せません。
特にヨーロッパの空港では自転車で空港まで走って行けば、段ボールも空港で貰えます。
あとは、ペダルさえ外せれば、簡単に飛行機に積めるそうです。
ペダルレンチなしでペダルが着脱できるというのは、思っている以上に便利なことです。
また、自宅で自転車を室内に保管する際にも、ペダルを外した方が場所を取りにくいです。
毎回、家の中に入れるためにペダルレンチで着脱するのは面倒でもありますし、ネジの摩耗などの心配もあります。
また、町乗りでもペダルを抜ければ、盗難対策にもなります。
ただ、Ezy Superiorかどうかで値段が1万円近く違いますので、ちょっと値段的な問題はありますね。
ロードバイク=ビンディングではない
いかがだったでしょうか?
レースで使うならシマノ、タイム、LOOK。
そして、今回は取り上げませんでしたが、スピードプレイという四大ペダルメーカーが、やはり強いですね。
その他にも、クランクブラザーズ、三ヶ島などのユニークなメーカーもあり、実にペダルも様々ですね。
レースで使うということで、無難な選択肢としてはシマノが間違いないですが、他の自転車乗りとワンポイント差を付けたいと思えば、他のメーカーも良いと思います。
レース用とは別に、普段のサイクリングに、歩きやすいシューズが使えるペダルを持っておくのもおすすめです。
走行性能で言えば、やはりビンディングペダルの方がおすすめですが、交通量の多い市街地での通勤など、フラットペダルの方が有利な場合もあります。
ロードバイクにフラットペダルは邪道と言う人も中にはいますが、自分が使いやすいと感じるものを使うのが、一番重要です。