自転車に子供を乗せる必要を感じる時期は必ず来るかと思いますが、その際に必要なのが「子供乗せ自転車」です。
普通のママチャリではないため、子供をどこに乗せるのか気になりますし、乗せられる年齢や電動は必要なのかなど、購入時に知っておきたい要素が多々あるものです。
そこで今回は子供乗せ自転車の選び方についてお話ししていきます。
子供乗せ自転車の概要
街中で前後にチャイルドシートを付けて走っているのを見かけるかと思いますが、子供乗せ自転車はその名の通り子供を乗せて走ることを想定して設計された自転車のことです。
自転車は原則2人乗り、3人乗りが禁止されていますが、運転者が16歳以上で、子供が6歳未満であれば2人乗り、3人乗りが認められています。
そのため、多くの子供乗せ自転車では推奨年齢が0歳から6歳未満となっています。
また、自転車の前後どちらに子供を乗せるかは、年齢と共に体重がカギを握ることになります。
一般的に前乗せタイプのチャイルドシートは対象年齢が1~2歳、体重は15kg未満、後ろ乗せは2~5歳で、体重は20kg台前半までというところです。
ただし自転車には最大積載量があり、その上限が25kg以上でなければチャイルドシートを取り付けることはできませんので、子供乗せ自転車はただキャリア(荷台)が付いていればよいというわけではありません。
また子供2人を前後のチャイルドシートに乗せて3人乗りが可能な自転車には特別な規定がありますので、自転車屋に相談するのが賢明です。
子供乗せ自転車の選び方
前項では子供乗せ自転車の概要をご説明しましたが、さらにここからは選び方を掘り下げてみます。
先ほどお伝えしたように、前後どちらに子供を乗せるかは年齢と体重を加味して考えますが、普通に考えてもやっと座れるようになったばかりの子を目の届かない後ろに座らせることは考えられません。
そのため、まずは前乗せ用のチャイルドシートが付いた機種から検討していくことになるかと思いますが、もう体重が15kg以上になってきたらハンドル操作に影響が出るのは必至です。
そのため、いつまでも前には乗せておけませんので、最初から後ろに乗せることも視野に入れておかなくてはなりません。
前項でお伝えしたように、後ろの荷台の最大積載量が25kg以上でなければチャイルドシートを取り付けること自体できませんので、そのタイプを選ぶようにしてください。
また、子供を後ろに乗せる際に足がスポークに巻き込まれる事故や、女の子のスカートがスポークに巻き込まれることが起こりがちです。
そのため、保護カバー付きのチャイルドシートがおすすめですし、車輪の上部をカバーする「ドレスガード」を取り付けるのも効果的です。
子供乗せ自転車は電動アシスト付きかノーマルタイプか?
子供乗せ自転車の選び方ですが、子供をどこに乗せるかをイメージすることができたら、次は「電動アシスト」の有無を考えます。
詳しいシェアまでは分かりませんが、多くの方が電動アシスト付きを選ばれているイメージです。
仮に子供を2人乗せていればチャイルドシート込みで約40kg前後になりますので、電動アシストでフォローしてもらうほうが断然楽に走ることができます。
ちなみに日本の場合は時速10km/h以下の走行では、人力1に対して2倍の補助比率が認められているため、低速度で坂道を上るのがより楽になっています。
また電動アシストによって推進力が高まり、低速なときにありがちなふらつきが軽減されるため、転倒してしまうリスクも大幅に軽減できます。
ただし電動アシスト付きはアシストなしに比べて車体が重く、仮に充電が切れてしまうと子供の重さをずっしり感じながら走ることになります。
そして13万円~15万円程度が相場となっており、シティサイクルでは最高クラスの価格です。
一方アシストなしの子供乗せ自転車は5~6万円前後というところですが、もちろんそれらは全て自分の脚力、体力でまかなうことになります。
そのため子供の体重がまだ軽いうちならまだしも、前にも後ろにも乗せるとなると慎重に考えないと後悔することになりそうです。
子供乗せ自転車のタイヤサイズを考える
子供乗せ自転車は、タイヤのサイズも購入前に考えたい要素のひとつです。
最も多いのは20インチで、小径車と言われる「ミニベロ」や、競技、パフォーマンス用の自転車としての趣が強い「BMX」と同じ大きさです。
タイヤが小さくなる分車高を低くできるため、重心が低く安定感があり扱いやすさが感じられます。
また一般的なママチャリの26インチサイズに比べると、後ろのチャイルドシートの高さが15cmほど低くなりますので、子供の乗せ降ろしが楽になります。
ただし、車輪が小さい分進みが悪く長い距離を走るには運動量が多くなり疲れが出やすいですし、タイヤが太いタイプが多いので、前輪をはめ込むタイプの駐輪場のラックだと苦労する可能性があります。
一方一般的なママチャリと同じ26インチは車高が高くなり、後ろのチャイルドシートが高い位置にくるため、カーブなどでふらついてしまう危険性はあります。
しかしタイヤが大きい分ひと漕ぎで大きく進みますので、電動アシストが無ければ長い距離を走る場合は20インチよりも効率が上がります。
また、特に男性などは低床設計の多い20インチでは低すぎて乗りにくいこともあるため、26インチを選ぶ傾向があります。
子供乗せ自転車購入時にはヘルメットも同時に購入する
ここまで子供乗せ自転車の選び方についてお話ししてきましたが、忘れてはいけないのが子供にかぶせるヘルメットです。
自転車の走行時にヘルメットをかぶっていなくても罰せられることはありませんが、13歳未満の児童、幼児が自転車を運転する、または子供乗せ自転車に同乗する場合は、保護者がヘルメットをかぶらせるように努めなければならない努力義務はあります。
子供乗せ自転車に乗せていると、不慣れなうちは安定感が無くふらつきがちですし、子供が急に動いたりしてバランスを崩し転倒してしまう可能性もあります。
小さいと体に比べて頭が重いため、自転車が転倒した際は頭から地面に落ちてしまう可能性が高いです。
子供乗せ自転車は普通のママチャリに比べ重量がありますので、転倒した際はかなりの衝撃を伴いますので、子供の頭部を守るために必ずヘルメットをかぶらせてあげてください。
そして子供乗せ自転車に同乗させている場合は、止まっているときでも目を離さず、子供を乗せたままその場から離れるようなことも危険極まりないのでやめてください。
子供乗せ自転車をどこで買うか?
ネット通販全盛時代の現在は自転車もネットで購入されるケースが目立ちますが、子供乗せ自転車に関しては実店舗での購入が賢明かと思います。
子供を乗せる場所や年齢によって選ぶものが変わってくるのはお伝えした通りですし、チャイルドシートの高さや幅もメーカーによって違うため、自分の目で確かめることが大切です。
また子供乗せ自転車に欠かせない機能である「ハンドルロック」などは、普通のママチャリではあまり付いていませんので、店員に使い方を説明してもらったほうが良いです。
お店にもよりますが、実際に子供を乗せて試乗ができる場合もありますし、自分では気が付かない付属品をすすめてくれることもあります。
そして購入後も子供乗せ自転車は点検や整備を自分ではできない部分もありますから、顔を繋いでおく意味でもやはり実店舗で購入するのが良いでしょう。
大切な子を危険にさらさない意識を持つことが重要!
子供乗せ自転車に乗せるために考えなければならないことが多いため、事前に知識を色々と入れてから購入するのが賢明です。
また子供乗せ自転車は基本的に高額であり、子供の成長に合わせて買い替えるのも現実的ではないため、将来のことも考えて機種を選ぶようにしましょう。
そして、大切な子を乗せているという意識を常に持って安全な走行に努めていただきたいと思います。