ロードバイクに乗り続けていると、だんだんとペダルの回りが悪くなった経験をされた方はいらっしゃいませんか?
その原因は、グリス不足によるものかもしれません。
グリスは、回転を円滑にするために使用する潤滑剤ですので、グリスが足りなくなると、ペダルの回転が悪くなります。
そこで今回は、ロードバイクのペダルに使うおすすめなグリスやペダルの外し方などをご紹介します。
ペダルに塗る前にグリスの性質を知ろう
ロードバイクのペダルの調子を取り戻すには、グリスを塗ることが一番ですが、まずはグリスがどういうものなのかを知っておきましょう。
グリス(グリース)とは潤滑剤のひとつです。
粘り気が強く、さらさらしていないので、常温にさらしておくと少しだけ固まります。
潤滑油の中に、カルシウムやナトリウムなどで作られた石鹸などの増ちょう剤をバランス良く混ぜ込み、固めるとグリスが出来上がります。
増ちょう剤は金属との相性が良く、潤滑油よりもあらゆる部品や素材にくっつきやすいです。生分解性のタイプも存在します。
グリスは、基本的に高い粘り気を持っていますが、高せん断速度では、粘り気が失われていくという性質を持ち合わせています。
また、温度を上げてもやはり粘らなくなりますが、この温度を「滴点」と呼びます。
一般的な潤滑油とは、
・遅いスピードやきつい負荷に耐えられる
・隙間を作らず接着可能
・飛び散ったり漏れ出すことが滅多にない
・抵抗力が大きい
・熱を追い出しにくく、しかし冷えやすいわけではない
・温度や速度によって大きな変化がある
などの違いがあります。
一般的には、グリースガンかシリンジを使って塗り込みます。
摩擦力を増やすカーボングリースと、革製のサドルに塗るサドルグリースというものもあります。
ロードバイクのペダルに塗る前に。グリスの種類①
ロードバイクのペダルに塗るグリスは色々な種類があります。
今回は、その中のいくつかをご紹介したいと思います。
・シマノ「デュラエースグリス」
粘度は高い方ですが、垂れてしまうことはありません。
蛍光塗料のような派手な色合いをしていて、適度に使っていっても5年は保ちます。
プレミアムグリスというものもありますが、性能に差はないので好きな方を買って下さい。
ハブなどに入れるならチューブタイプが良いでしょう。ただ粘り気が強いぶん、中身を出すのに多少の力が必要です。
どれを買えばいいのか分からなければ、とりあえずこれを選びましょう。値段は1,400円ほどです。
・パークツール「ポリリューブ1000」
塗るとすり切れる確率を大幅に減らせます。ポリユリアベースなので水にも強く、激しい温度差にも耐えられます。
粘り気はそこまで強くなく、比較的さらさらしています。深緑色が特徴です。
値段は800円と安価の部類に入り、量もたっぷり入っているので、すぐには使い切らないでしょう。大手のネット通販で、売り上げはトップクラスです。
難点は、中身を出すための穴が空いていないため、自分で空けて下さい。
ロードバイクのペダルに塗る前に。グリスの種類②
ロードバイクのペダルに使用されるグリスの中から、おすすめをお教えしたいと思います。
・フィニッシュライン「プレミアムテフロングリス」
合成テフロンがベアリングのすり減りや錆び付きを防いでくれます。柔らかいので、手に付いてもすぐに拭き取れます。
耐久性も高く、メンテナンスの説明書にも記載されているほどです。
・フィニッシュライン「セラミックグリス」
超微粒子セラミックによって性能が高められています。摩擦や熱が発生しにくく、塗ったパーツが滑らかに回転するようになり、寿命を延ばしてくれます。
転がり抵抗も少なめです。ただし粘度が低いので、耐圧性はそこまでないかもしれません。
・AZ「自転車用フッ素グリース」
金属によく馴染んでくれます。ゴムや樹脂、プラスチックにも使えます。
耐久性と滑らかさの維持は折り紙付きで、水や油を寄せ付けません。
害のないフッ素が原料なので、人体にも安心です。
・カンパニョーロ「チューブ入りグリス」
性能こそ平均的ですが、見た目が格好良いという特徴を持っています。
しかし値段が3,000円ほどと、他のグリスと比べると、飛び抜けて高いことがデメリットと言えます。
ロードバイクのペダルにグリスを塗ろう
今回はロードバイクのペダルに、どのようにグリスを塗れば良いのかをお伝えしたいと思います。
まず、ベアリングはバラバラの状態になるので、分解する時は必ず下に布を敷くか、トレイなどを置きましょう。
そうしたら、精密ドライバーで車軸のキャップを外し、12mmのソケットレンチで奥にあるナットを緩めましょう。
するとワッシャーが出てくるので、ラジオペンチなどで取ります(先端が尖っているものなら何でも構いません)。
玉押しのナットが見えたら、ペダルのシャフトの端を押さえ、今度は14mmのソケットレンチを使って玉押しを緩めます。もしペダルの油が切れていたら、ベアリングと玉押しを洗ってからグリスを塗りましょう。
一番重要なのはベアリングです。
ここのメンテナンスは、最初に手でペダルキャップを外し、出てきたナットのシャフト側を、動かないようにモンキーレンチで挟み込んだら、反対側をソケットレンチで緩めます。
後は、ベアリングにグリスを塗るだけです。洗浄はグリスを塗る前に行いましょう。
年に一度のペースで行うと効果的ですよ。
ペダルのグリスアップついでに他の部分も塗ろう
ロードバイクには「ボトムブラケット(以下bb)」という部品が備わっています。
これのおかげで、ペダルがスムーズに動くようになるのです。言い替えれば、このパーツに何かがあるとペダルにも支障をきたします。
bbにもグリスが塗られていますが、このグリスは、バイクの性能を左右するとても大事なポイントです。
グリスを塗り直す頻度は、走った距離にもよりますが、大体1~2年程度のペースが多いかと思われます。
なるべくグリスの効果を維持させたい人は、数ヶ月くらいで塗り直すこともあるようです。あまり走らない人は2~3年といったところでしょうか。
一定期間ごとに行うのではなく、ペダルが漕ぎにくいと感じたり、bbから変な音が聞こえるなどの異常が発生した時に様子を見る人がほとんどのようです。
その際は、高確率でベアリングのグリスが減っています。
ちなみにグリスそのものも劣化はするので、使い切れていなくても、3年に1度で良いので、新品と交換して下さい。
ロードバイクなどのスポーツタイプのバイクは、グリスの塗り直しによる恩恵が大きいので、点検も兼ねて塗り直すと良いですよ。
ロードバイクのペダルなどに使ったグリスの管理方法
ロードバイクのペダルなどにはグリスを塗りますが、普段はどのように保管しておけば良いのでしょうか。
まず、なるべく暗くてひんやりとした場所を選びましょう。
酸化しやすいため、蒸し暑い場所を苦手としているのです。
屋外はもちろん、直射日光が当たるところに置くと水分を吸収することがあるので、やむなく屋外に保管するなら、シートや特殊な蓋を被せましょう。
また、グリスは完全に固まっているわけではないので、倒してしまうと空気の泡が入ってしまいます。
すると酸化しやすくなるので、絶対に倒さないで下さい。分離してきたら空気を入れないように気を付けて、ゆっくりとかき混ぜましょう。
もうひとつ、やってはいけないのは「加熱」です。加熱すると性質が変化してしまい、常温になっても完全には元に戻りません。
異物混入もいけません。ゴミが混ざらないように蓋はきちんと閉め、取り扱う際には綺麗に洗った手やへらなどを使いましょう。
そして、種類の違うグリスを混ぜ合わせることもやめた方が良いでしょう。
性能が落ちてしまいます。どうしてもやらなければならない事情があるなら、油の量を増やして、前のグリスを出来るだけ押し出して下さい。
ロードバイクのペダルに使うおすすめなグリスの種類はなに? まとめ
グリスの種類はたくさんありますね。ホームセンターなどで売っているものも使用できますが、自転車専門で作ってくれているところのほうが分かりやすくて良いと思います。
あまりメンテナンスしないところだからこそ、良いグリスを買ってみるもの良いですね!
ご自分で行う場合は、取り扱いに注意してメンテナンスして下さい。