アルテグラ6800をメンテナンスしよう!

アルテグラ6800は、11速にしたい方が注目するコンポーネントです。
11速という意味では、デュラエース9000と105の5800とメンテナンス方法はかわりません。
シマノの11速コンポーネントのメンテナンスという文脈でお話しいたします。

アルテグラ6800のSTIのメンテナンス

アルテグラ6800のSTIはST-6800という部品ですが、この部品は分解してみるとかなり精密なつくりになっていることが分かります。

シマノは部品一つ一つに番号を振り、それぞれ注文することができますが、STIは主にブラケット部分とレバー部分に分かれます。
他の小さな部品や、レバー外し用の工具などもラインナップされています。

STIは6800に限らず、1年間ぐらい放置したままだと、動きが渋くなってしまったり、シフトが空回りしてしまうことがあります。

そうなったら分解・メンテナンスしないと直りません。

シフトの空回りやレバーの動きが渋くなったら、シマノに連絡して引き取ってもらい修理することもできますが、ある程度自分で修理することもできます。

ブラケットカバーを外して、下部にあるネジを外すと、シフトのメカニカル部分にアクセスすることができます。

グリスやオイルを注入し、レバーやシフトの動きをスムーズにしましょう。
中の小さなバネなどがありますが、これには触らないようにしましょう。

以前私はバネを触ってしまい、シフトができなくなってしまいました。
原因はバネが伸びすぎてしまって、必要なテンションが確保できなくなってしまったためです。

このような状態では個人では直せないので、シマノに送って直してもらいました。

また、シフトケーブルやブレーキケーブルが中でちぎれてしまった場合にも、同じ方法で中のケーブルにアプローチすることができます。

STIの中でケーブルがちぎれてしまうことは多々あります。
ほとんどは外側からとれますが、取れなくなった場合は、分解・メンテナンスを試してみてください。

6800アルテグラのフロントディレーラーメンテナンス

アルテグラ6800フロントディレーラーは、FD-6800といいます。
FD-6800のメンテナンスは、フロントシフトケーブルのテンション管理と、バネが錆びないようにすることです。

フロントディレーラーは、ケーブルテンションが緩みやすく、そうなるとアウターに上がりにくくなります。
テンションが緩みやすい理由は、FD-6800はケーブルアジャスターを咬ませないといけないからです。

ケーブルアジャスターは長さが変わりやすく、テンションが変化してしまします。
このメンテナンスが面倒な人は、最近ローンチされた、9100デュラエースのフロントディレーラーを使うとよいでしょう。

引きも軽く、ケーブルテンションもフロントディレーラー内で完結するので、ケーブルアジャスター必要ありません。

ST-6800といった、旧世代のSTIとも互換性があります。
実際ST-5800と組み合わせてみましたが、きっちり変速しましたし、引きも軽くなりました。

フロントディレーラーが古くなりすぎたら、9100のフロントディレーラーに変更してみるのもいいでしょう。

アルテグラ6800のリアディレーラーのメンテナンス

アルテグラ6800リアディレーラーのメンテナンスのポイントは、バネの部分がさび付いたりゴミが付き過ぎないようにすること、そしてディレーラーのプーリーがゴミだらけにならないようにすることです。

以前、研究室の仲間がチェーンを変えてほしい、依頼してきました。
彼の自転車のディレーラーを見ると、プーリーにゴミが大量についていて、膨らんでいました。

このまま新しいチェーンに換えても、プーリーのゴミがチェーンについて、折角の新品チェーンが台無しになってしまいます。

彼のチェーンを直してあげるときに、ディグリーザーを持ってきておらず、大量のごみを取り除くのに、とても苦労しました。

最初は、チェーン交換だけという話だったので、チェーン切りだけ持って行ったのですが、最終的にはかなり大掛かりに掃除することになりました。

リアディレーラーとチェーンの状態は、常に確認してあげてください。
リアディレーラーのバネ部分にも錆が浮きやすく、またグリスが塗ってあることが多いので、ゴミが付きやすいです。

ときどき、綿棒にディグリーザーをつけて、ほじってあげるとよいでしょう。

また、リアディレーラーは分解するのは簡単でも、組み立てがかなり難しいので、分解しての掃除はやめた方が良いでしょう。

アルテグラ6800ブレーキのメンテナンス

アルテグラ6800のブレーキのメンテナンスで気を付けなければならないのは、ブレーキシューの減り具合と、ブレーキの隙間に溜まるゴミやホコリです。

ブレーキシューは、チェーン・タイヤと並ぶ消耗品です。
ブレーキシューは、雨の日などは特によく消耗するので、気を付けてください。

ブレーキシューの消耗具合は、ブレーキシューのなかのインジケーターが目安となるので、注意してみてください。

また、ブレーキシューが減るとブレーキタッチも変わるので、メンテナンスのたびにブレーキタッチの調節もしなければいけません。

カーボン用のブレーキシューは、特に消耗が早いです。
ライドのたびに、目に見えて減ってしまうこともあります。
特にダウンヒルが多かったライドなどは、激しいブレーキングであっという間に消耗します。

ブレーキの隙間にも、ホコリがたまりやすいです。
ホコリがたまりすぎると、ブレーキタッチが固くなり、最悪の場合、ブレーキができなくなります。
それを防ぐためにも、時々掃除してあげましょう。

例えば、ティッシュでこよりを作って隙間を掃除してあげる感じです。
歯間ブラシのようにごしごししてあげると、どんどん汚れが取れていきます。

大きな隙間は、綿棒で掃除することもできます。
ディグリーザーをつけてやると、もっと効果的でしょう。

アルテグラ6800BBのメンテナンス

BBは、自転車の中でも最も敏感なところでしょう。
異音に悩まされた方も、多いのではないでしょうか。
異音を感じる前に、BBはチェックして、メンテナンスしてあげましょう。

BSAやITAのようなねじ切りBBは、壊れたら簡単に交換してしまってもいいでしょう。
高い部品でもないですから、消耗品と割り切ってもいいかもしれません。

プレスフィットBBの場合は、つけ外しを頻繁にすると、フレームがガバガバになってしまう可能性がありますから、そんなにつけ外しをしてはいけません。
隙間に入っている砂を取り除いてあげて、改めてグリスを詰めてあげるとよいでしょう。

BBやスプロケットをしっかり規定のトルクで締め付けていないと、BBから音がするようになるかもしれません。
ゆるみがないか、BBだけでなく、スプロケットやサドル回りもトルクを確認してあげましょう。

BBのトラブルは、BBだけが原因ではないというのをご確認ください。
アルテグラ6800のBBは、105のBBと共通であることが知られています。

シマノでBBのアップグレードをしたい場合は、デュラエースにする必要があります。
シマノのBBは、アップグレードしても軽量化ぐらいにしかなりませんが、10gほど軽量化できると思います。
交換するなら、別メーカーのものを考慮してみるのもよいでしょう。

6800アルテグラのメンテナンスのまとめ

如何でしたでしょうか?

6800アルテグラだけでなく、殆ど構造が同じデュラエースや105にも使えるメンテナンス方法ばかりですし、他のコンポーネントにも使えるでしょう。
分解する、というのは他コンポーネントでは使わないでください。

シマノは、比較的分解しやすいコンポーネントです。
メンテナンスをきわめて、ライドを楽しんでください。